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HAZAWA VALLEYオフィシャルサイトまちづくりストーリー

地域と深く関わってきた経験を
羽沢周辺のまちづくりにも活かしていきたい。

横浜国立大学 | 副学長(地域担当)地域連携推進機構長 大学院 都市イノベーション研究院 教授 | 佐土原 聡
横浜国立大学 | 附属図書館長 大学院 都市イノベーション研究院 教授 | 大原 一興
chapter 1

新駅と街の誕生は、
大学にも学生にも
嬉しいニュース。

お二人はまちづくりにどのように関わっているのでしょうか?
佐土原:横浜国立大学では「地域に信頼され、地域に支えられ、地域の発展を支援する」という精神を軸に、地域連携推進機構を設置し地元に根付いた活動をしています。私はその機構長をさせていただいており、この街開発における大学の窓口も担当しております。新駅「羽沢横浜国大駅」の開業とそこに生まれる街に関しては、インパクトのあるニュースでしたし、大学にとっても学生にとっても嬉しい変化だと思っています。今後、どのように羽沢のまちづくりに貢献できるかを模索しているところです。

大原:私も佐土原先生も「都市イノベーション研究院」という大学院に所属していますが、この大学院は都市や地域との関わり合いのなかで学びを深めていくため、かなり以前から大学周辺エリアの自治会などと交流させていただいていました。そんな折に届いた駅開業と駅前開発の知らせは、地元の方々にも大きな関心ごとになっていて、これを機に駅周辺から大学周辺に至るまでの広い地域が一体となって“新しい動き”が生まれていますね。
佐土原、大原
写真左:佐土原、右:大原
chapter 2

新駅誕生をきっかけに、
このエリアの人たちの交流が
深まっている。

大原さんがおっしゃる、新しい動きとはどのようなことですか?
大原:駅前にできる街や、そこにできるタワーマンションの住人の方々との共生を目指して、駅周辺の「羽沢地区」、大学周辺の「常盤台地区」の人たち、そして横浜国立大学の学生・教員が一つになって考えていく取り組みが活発になっています。きっかけは2008年に開始した地域ケアプラザの建設にともなうワークショップだったのですが、駅開業の話を受けてワークショップが扱う課題も構成するメンバーも拡大していきました。近年の象徴的な活動では、このワークショップが中心となって、横浜市に対して「羽沢横浜国大駅周辺バリアフリー基本構想」の住民提案を提出したり、街の魅力を伝えるためのサイン(看板)などをつくる計画も進行中です。新しい駅と街の誕生をきかっけに、これまであまり交流がなかった開発エリア周辺の方々が一体となって、まちづくりに関してウエルカムな姿勢で取り組んでらっしゃる。地元のみなさんが、新しい街とそこで暮らす人たちがもたらす「新しい可能性」を楽しみにしているのだと思いますね。
chapter 3

新しい街にできる大学の
活動支援施設を
有意義に活用していきたい。

羽沢横浜国大駅前にできる商業施設には、大学の活動支援施設も入るとお聞きしています。
佐土原:駅前に拠点を確保していただいたことを非常にありがたく思っております。私どもは大学周辺エリアで様々な地域交流活動を行なってきましたが、これまでに拠点をつくって活動できたケースがほとんどありません。拠点があるとその場所にしっかり根付いた活動ができ、地域の方々に顔を覚えていただけて交流も深まっていくはずです。しかも今回は新しい街にできる拠点ですから、生きたまちづくりから学ぶことができる。拠点の活用のアイデアを、学生と教員たちで楽しみながら検討させていただいています。

大原:地形的にも距離的にも、羽沢横浜国大駅から私たちの大学を見たり雰囲気を感じたりすることができません。ですから、商業施設内に横浜国立大学の「もう一つの顔」ができれば、大学をもっと身近に感じてもらえると思っています。また教育の一環で学生たちと羽沢エリアの地形模型をつくっていきますが、こういった街を俯瞰できるモノがあるとエリアの魅力が伝えやすい。模型を拠点に置くかどうかは未定ですが、単に大学のPRではなく、街の魅力も発信できる場所になれればいいなと思っています。
大原
佐土原
chapter 4

豊かな多様性を育みながら、
都心直結の利便性を
活用できる街へ。

新しい駅、新しい街に対して、どのような期待をされていますか?
大原:先ほどお話ししたワークショップにおいても、新駅の誕生による新街の創生ということで羽沢地区・常盤台地区の交流が深まりましたし、この良い影響は今後も続いていくように思います。さらに、このエリアを構成する住人は、定期的に入れ替わっていく若い学生たちと、地元の高齢の方々という二極化の傾向がありますが、そこに大規模なタワーマンションが生まれて若い家族が増えていくと、豊かなダイバシティ(多様性)の街になっていく。とても素敵なことだと思います。

佐土原:新駅が都心直結であることは、本当に大きなメリットです。都心部では国の省庁が開く会議やシンポジウム、学生の学びにつながるイベントなどが多く、こういったエリアへのアクセスが抜群によくなったことで、学びの幅が広がっていきます。また、駅名に大学の名前を入れていただいたことで、都心で私たちの大学名を見たり聞いたりする方が増えるのは純粋に嬉しいことですよね。
横浜国立大学は山の上にある、街から離れた大学でした。おそらく学生たちの思い出はこの山の上でつくるしかなかったように思います。それが、最寄りの駅ができ、周辺に新しい街が生まれると、大学と街との組み合わせが学生たちの心の拠り所になったり、思い出の風景になっていくはずです。そんな大切な街ですから、様々な角度からまちづくりに貢献していきたいと考えています。
佐土原、大原
写真左:佐土原、右:大原